現場報告
「大田黒家の別荘にて」






日付:2003/5/4
案件:立ち稽古
報告:第一幕

連続稽古の二日目。かなりいい面子。
どうにか代役なしで、一幕を立ってみる。
問題は、今日の稽古場が和室だってこと……でもまあ、いいか。
動き始めると、この芝居、タイミングと間がものすごく難しいということを改めて発見。
でも、うまくいった時は凄く笑える。
稽古途中であまりに周りが笑うので、芝居が止まってしまう。
「静かに」といったとたんに私まで笑ってしまった。
しかし、なんでこんなに暑いんだ?
稽古が終わってドアの前に館長を発見。
暑い、暑いと喚いていたのを聞かれたらしい。
「冷房、もう使えると思うんだけどね」 
へっ?あ、空調つけるの忘れてた……



日付:2003/5/3
案件:エチュード
報告:微妙なメンバー

5月3/4/5日と連続稽古の初日。
都合のつく人だけどいいよ、とは言ったものの……
人数は7人もいるんだけど……
絡まない人同士……
どうするよ?ということで、本当に久しぶりにエチュードをやる。
言葉に頼らないで、気持ちを伝える、という課題。
まず状況を設定して、きちんとセリフをしゃべって演じる。
次に、セリフをだんだん短くしていく。
つまり、「駅はこっちですか」→「駅」→「え」。
そして最後は「たまご」。
意味のない言葉「たまご」だけしかしゃべらないで会話を成立させようというもの。
「たまご。(あの、すみません)」
「たまご(なんですか)」
「たまご、たまご(駅はこっちですか)」
「たまご、たまご(いいえ、こっちです)」
「たまご(ありがとう)」というような感じ。
これやると、稽古終わってからも、みんな「たまご」しか言わなくなるんだよね……



日付:2003/4/29
案件:車椅子
報告:館長さん、ありがとう。

劇中で使う車椅子。
某劇団さんから借りることにしていた。
「お互い小道具リストを交換して、みんなで助け合いませんか?」
という弱小劇団同士の互助組織を作ろうという呼びかけに賛成して、借りることにした。
(こっちはまだリスト作ってない……)
ところが、置き場所に困って、いつも練習しているコミ館の館長さんにご相談したら、
「ウチにあるの使えば?」 ということで、借りることになりました。
今日、初めて借りて、ハンナさんは早速試乗。
スズコさんも押してみる。いい感じですね。
ということで、今日から立ち稽古に入ります。
まずは心と動きの流れをつかむために、セリフにとらわれず、状況を再現します。
たとえば、「何かをみて驚く。どうするかを決める」。
台本には「え、どうしたの、何、これ」と書いてあるとする。
それを覚えていない俳優は、「え、いやだ!」と言ったとします。
それでもいい、と言うことです。
次にちゃんとセリフを覚えて、そうしゃべればいいんです。
つまり、先に心の動き、目的、反応をしっかり確かめようというわけです。



日付:2003/4/18
案件:消えもの
報告:せんべい、それともショートケーキ?

前回公演『ご霊前』に引き続き、「瀧川」(松坂)は劇中でお菓子を食べる!
で、いらついた「浅岡」が食べるのを止めさせる。
今日の稽古の時、私が食べていたのはおせんべい。
浅岡役の多田が、「おい、そこの占い師! さっきからばりばりばりばり、うるさいんだよ!」と、マジ切れ状態。
広報部長松坂健は、
「ショートケーキを食べてて、生クリームが口の周りに着いてるっていうのがいい!」 と主張しているのだが、
おせんべいも良いかも……
そこでしっかりと制作から発言。
「最初の日はね、何でも良いけど、二日目からは、差し入れで頂いたお菓子ですからね!何になるかはわかりません!」
……経費節減か……確かに ま、何でもいいや!



日付:2002/3/30
案件:読み合わせ
報告:あやか、登場!

今回の目玉商品、あやか登場。
中学校3年生の15歳。
「ルリ」ちゃんと同い年。
初めて大人達の中に混じっての本読みでちょっと緊張気味。
今日から読み合わせ。
キャスティング通りの配役で読んでいく。
もちろん代役もあるんだけどさ……
とりあえず、アタマで本役が揃っていなかったところを少しとばして、一回通して読むことにする。
来てそうそう、「ウチの本読み」に参加することになったあやか、大丈夫か?
「いい、セリフをしゃべるときは台本を見ない。OK?」「うん、わかった」 ……て、分かってる?
ま、“サークル風”で3年間やってるもんな。
ウチでは本読みをするとき、部屋の中央にテーブルを置き、
その場面に出ている人だけが、その周りに座って、読み合わせをする。
相手役との距離が近い方が、よりそのときの自分の気分、もちろん登場人物としての、を感じやすいからだ。
で、できるだけ小道具も用意する。コーヒーカップとか、けん銃とか、手紙とか……
さて、あるシーンでのこと。本読みの途中であやかが突然空いていた隣の椅子を動かした!
そのシーンは相手役が、あるもののことをすごく気にしているシーン。
でもって、それに触られたくないと思っているのに、
ルリがそれを動かしてしまう、という設定。「あ〜!」と相手役が思わず叫ぶ。
真実の瞬間が生まれた。
いいねえ……わたしはあやかに何の指示も出していません。
どうです、ちょっと期待できる新人でしょ?
でも今日は最終的には全役が揃って最後まで読めてよかった。
これで次回の稽古から細かく読み合わせをしていくことができます。



日付:2003/3/29
案件:作者打ち合わせ
報告:七海ちゃんと会食!

都内某所、午後七時。
私と松坂健は、招いている方が遅いのはかっこわるい、ということでちょっと早めに到着。
文藝春秋を今年三月で退職する兄が、次に到着。
実は、小山氏とは一緒に文庫を作ったりしていて、顔なじみ。
健が一緒にお祝いも済ましちまえ、と大胆にも招いてしまった。
その後すぐに到着した若竹夫妻はびっくり!
で、飲み物が来る前からさっさと打ち合わせに入る。
まず、製本した台本を渡すと、「いいよね、こういう形になると」と早速ぱらぱらする若竹。
実は、一ヶ所一行抜けてて、一ヶ所一行多いんですけど……。
本人だから分かるよね、と微妙なフォローを入れつつ、早速質問を開始。
一番最初の部分とか、一幕まん中の暗転はどうするか、とか、ちょっと設定変えちゃっていいですか、とか。
一段落したところで、「あの……」とおそるおそる若竹が口を開く。
「今回は秘密主義でいくという話なんだけど……」
「はい。身内にも見せるなと団員に言っている」
「見せちゃったんですよね、カナダにいる友人に。本番来られないから台本読ませてって言われたから……」
「……」
……いいんじゃないんですか別に。
作者なんだし……
で、しゃぶしゃぶが出てくる。
若竹がすかさず鍋奉行に変身!
さくさく肉を鍋の中へ!
小山氏がアクを掬って、そばの器へ。
絶妙なコンビネーション!
山盛りになっていた豚肉と京水菜が、あっという間に胃の中へ消えていく。
おいしかったよ、健さん。
でも、野菜がもっと欲しかったね。
デザートになったとき、兄から
「戯曲なんて、時間はかかる、金にはならない。間尺に合わないもの、みんな書かないのに、よく書いてくれたね。」
「え〜、頼まれないから書かないだけですよ。頼まれればみんな書きますよ」と若竹氏。
そうかな?
お開きとなって、靴を履きながら七海ちゃんが、
「台本溜まったら、私家版にして本にしようかな、100部くらいの瀟洒な本にして、ネットで売るの」と、つぶやく。
……何冊か貰って、サイン付きでオークションにかけるか。
食事代?
もちろん健さんが払いましたよ!
別れ際に、いつ稽古を見にいくかはメールで知らせます、と若竹氏。
はい、待ってます。
でも、その前に、舞台図下さいね。じゃあね。
と、気持ちよく分かれたところで、チラシに載せる作者の一言を貰い忘れたことに気づく。
これだよ……ま、いいか……(おせんに怒られる……)



日付:2003/3/25
案件:キャスティング
報告:あやか、出演決定!

携帯が鳴った。
あやかからだ。
来年受験だから、2月の演劇祭には出られないから、7月公演に出て、しばらく休め、
といわれたということで、今回の公演に出る、という。
はあ、ほっとした。
これで、キャスティングもほとんど完全!
あとは、平ちゃんだけだ!
とにかく、ウチのいいところは、主役争いのないところ。
アンサンブル重視なので、前回主役だった人が、ちょい役に回ったり、
新人さんが大きな役が付いたり、と、めまぐるしいが、みんなそれを楽しんでいる。
前回、一番人気は、たった3、4個のセリフしかない島民A、B、C。
客席から突然声をかけるこの役をみんながやりたがっていた。
最終的にシングルになって島民Cをやれなかった多田が悔しがったこと!
今回はほんとはシングルのつもりだったけど、
外部から人を入れるのに団員で出ない人がいるのはいやなので、結局ダブルにしました。



日付:2003/3/23
案件:キャスティング
報告:難産でしたが、決定しました!

本日、キャスティング決定!
今回は一方的に私がキャスティングしていく。
とにかく主役の一人を外部に求めたため、返事が来ない。
とても丁寧な依頼状と、台本を送ったんだけどね……でも、未だ着いてないよなあ……どうにか決定。
ちょっとだけ本役で本読みをしてみる。
うん、いい感じ。ちょっといつもと違う感じの配役で面白いと思います。



日付:2003/3/21
案件:本読み
報告:臨時の稽古!

ということで、集まったけど、誰も来ない!と思っていたら、ぱらぱらと4名。
ま、いいんだけどね。
今日集まって貰ったのは、キャスティングの前に確かめたいことがあったため。
早苗ちゃんも来たし、やりたかったことはできたからいいや。
明後日、キャスティングだけど、決まりそうにない……
かなり迷っています。
シングルでいくべきか、
ダブルにするか、
外部を入れるべきか、
自前でいくか、
年相応でいくか、
老け役にチャレンジさせちゃうか、
5パターンぐらい考えたんだけど……



日付:2003/3/16
案件:本読み
報告:第1回目終了!

今日は和室。
ということで、ストレッチ・発声はすっとばして、いきなり本読みに入る。
第2幕はかなり順調にいき、時間があるので第1幕も流してみる。
劇団員の気持ちがだんだんと盛り上がってくる。そろそろキャスティングが気になり出す。
来週キャスティング、と発表。
いつもの通り、やりたい役とやりたくない役を教えてね、と頼む。
あくまで参考にするだけだけど、本当にやりたくない役、というのは、
自分を壊してしまうからね、特にウチのやり方をすると。
今日の稽古でも本読みだけで涙が止まらなくなった人がいる。
本当は今の段階では感情は抑えなきゃいけない。
そして、自分の心の中で、どういう感情や気分が生まれているかをしっかりと確認することが大事。
今、押さえることで、感情の反発が生まれ、増幅し、しっかりとしてくる。
この繰り返しで怒った振りや笑った振りをしなくなるというわけ。
面白いでしょ?
「ルリちゃん」、どうしようかな……外部にいい子がいるんだけど……
多田が久しぶりということで、つい、乾杯に走ってしまった……


外部>>
実は“サークル風”。



日付:2003/3/9
案件:本読み
報告:新団員のための「提案された状況」

この台本で初めての練習。
台本と一緒に提案された状況を書き入れるためのシートが配られる。
書かないやつもいるから、今回は強制的に書かせる。
で、久しぶりの「第1回目の本読み」です。
3ページぐらい毎で区切って、提案された状況を抜き出していく。
第一場だけやって、後は各自に任せて、第二場まで読み終える。


提案された状況>>
作者が台本の中に書いている事実。
たとえば年齢、身体的特徴、社会的状況、時間、場所など。



日付:2002/3/7
案件:台本作成
報告:都内某所で台本を作成。

B4版で一部が54枚、それが30部というとどれくらいの重さになると思いますか?
一枚6gとしておよそ10s。
雨の中、抱えて運べと?
というわけで、宅急便を使ってしまった。……贅沢……
作成途中で若竹さんからメール。
題名決定!
ついでに1幕にするか2幕にするかでもめてたのも
「やっぱり休憩入れて、お茶しようよ。××役の人も大変だし……(誰かは秘密!)」との若竹氏の思いやりで
上演時間は途中休憩15分の2時間程になる。
持って帰った台本を読んで興奮した座付き宣伝部員松坂健は、若竹夫妻に「是非お食事を!」とメール。
若竹さんの返事は「締め切りを大幅に遅らせた私がおごるんですか?」ということで29日に健がご招待します。
細かい打合せもここでかな。



日付:2003/3/4
案件:台本到着
報告:若竹さんより台本到着。

早速読み始めたが、あまりに面白いので、途中なのにメールで「面白い!」と報告。
シンプルテキストをワードに落として、ウチの台本形式に形を整える。
今回はト書きが少ないので、そのままにしたために大幅に時間短縮でした。




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